修復的対話とは、職場・家庭・学校・地域などで起きる様々な人間関係のトラブルを、進行役の介在のもと、 上からの強制ではなく、当事者ひとりひとりの自主性と問題解決能力で予防・克服しようと することを「修復的司法(対話)(Restorative Justice)」といいます。
職場・家庭・学校・地域などで起きる様々な人間関係のトラブルを、進行役の介在のもと、上からの強制ではなく、当事者ひとりひとりの自主性と問題解決能力で予防・克服しようとする「修復的司法(Restorative Justice)」というものがあります。
このアプローチを当社はキャリア・コンサルタント、職場の上司・チームリーダーなど、人間関係トラブルに介入・支援をする人たちに学んでいただきます。
実際には、トラブルの関係にある人の心理や理論を学び、なおかつ事例をもとにロールプレイを行っていただくことにより、対話の進行役としてのスキルを身につけていただきます。
修復的対話という事例(被害者と加害者の対話)を通して、対話の進行役として人間の深層心理を学ぶとともに、被害者・加害者の立場からの思考・解釈をロールプレイを通じて習得することができます。
このスキルを活用することにより、メディエーターとして社会の中で広くトラブル解決に役立つことができるようになります。
早稲田大学法学部卒業後、79年から千葉県で弁護士。NPO法人「対話の会」の理事長を務める。
1986年から日本弁護士連合会「子どもの権利委員会」に所属、また対話の会の活動として「被害者の視点を取り入れたグループワークを通じての矯正教育」を某少年院で2004年から実施している。
著書:「子供の人権をまもる知識とQ&A」、(法学書院「くらしの法律相談14」)
次回日程は調整中です
18名
対話の会の準備 ―事前面談の重要性と進行役に求められること
リーダー
NPO「対話の会」 理事長(弁護士) 山田由紀子
「対話の会」の成功の9割はていねいな準備にかかっています。事前面談で進行役に求められる話の聴き方、ニーズの把握、対話の適格性の見極めを学びます。
申込者(ハラスメント被害者)との事前面談のロールプレイとその検証
リーダー
進行役経験 スタッフ
あなたは進行役。初めて申込者と会う事前面談をロールプレイで体験し、良かった点や良くなかった点を検証します。
休憩
相手方(加害者上司)との事前面談のロールプレイとその検証
リーダー
進行役経験 スタッフ
進行役が相手方と会う事前面談をロールプレイで体験し、申込者の何を伝え、相手方の何を把握すべきかを学びます。
ランチタイム
対話の会を開く―司会をする進行役に求められること
リーダー
NPO「対話の会」 理事長(弁護士) 山田由紀子
進行役に求められる“控えめな態度”“安全な場所を提供する”とは、具体的にどのように司会することなのでしょう。
進行役として対話の会の司会をするロールプレイとその検証
―部屋への案内~自己紹介~第1段階~第2段階
リーダー
進行役経験 スタッフ
進行役は、予め席順や部屋への案内順などを考え、第1段階で各参加者が十分に体験を語るように促し、第2段階の質問と答えの時間が参加者の自主性に充ちたものになるよう配慮します。
休憩
進行役として対話の会の司会をするロールプレイとその検証Ⅱ
―第3段階~第4段階
リーダー
進行役経験 スタッフ
進行役は、参加者の創意工夫で償いや立ち直りのために何をすべきかが合意されるよう、気配りし援助します。
総括とQ&A
リーダー
NPO「対話の会」 理事長(弁護士) 山田由紀子 スタッフ
今日学んだことを交流し、疑問点を解消して、その学びを確かなものにします。
株式会社テクノファ
電話 : 044-246-0910(代)
Eメール : counselor@technofer.co.jp
(担当:伊良波)
修復的司法(Restorative Justice)をご存知ですか。家庭・学校・職場・地域などで起きる様々な人間関係のトラブルを、進行役の介在のもと、上からの強制ではなく、当事者ひとりひとりの自主性と問題解決能力で予防・克服しようとするものです。
私たちNPO法人対話の会は、2001年に日本で初めて修復的手法の活動を開始し、以来今日まで少年非行における被害者と加害少年の対話を中心に、修復的対話の実践を重ねてきました。
修復的対話は、犯罪被害者と加害者の間だけではなく、いじめなど子ども同士のトラブル、親と子の間のトラブル、教師と生徒の間のトラブル、近所の人同士のトラブルなど、さまざまな紛争の予防と克服に役立ちます。
本講座は、みなさまに、修復的対話の準備と司会を担う進行役の基本やスキルを学んでいただく養成講座です。講座の修了後、実際に修復的対話の進行役として活動したいという方にはもちろん、そうでない方にとっても、家庭や職場で起きるさまざまなトラブルを対話の力で円満に修復するためのお役に立つはずです。
講座は、DVD視聴やグループワーク、ロールプレイを取り入れた参加型で行います。知識を得るだけでなく、参加者が互いに交流し体験し合いながら学ぶこの講座で、新たな自分や共感できる人との出会いをしてみませんか?!
事例――対話の会の活動は2001年からです。
「少年事件で対話の実践を目的にした日本で初めての団体です。発足からこれまでに70件の申し込みがありました。被害者側から26件、加害者側から44件。対話が成立したのは27件です。双方から話を聞き、対話は開けないと判断することもあります。その場合でも関係調整はします。事件の内容は傷害が33件と一番多いですが、殺人、殺人未遂、傷害致死、強盗致傷などさまざまです」
「20歳の男性が9人の少年から集団リンチを受け、逃げようとして川に飛び込んで水死した事件がありました。遺体の状態が悪く、周囲の勧めに従って確認を父親に任せた母親が、ちゃんと遺体と対面しておけばよかったという気持ちが強くなり、最後の状況を詳しく知りたいと、事件から3年後に対話を申し込んできました。当時、民事訴訟で金銭面での和解は成立していました。9人のうち最も関与の度合いが低かった少年はすでに少年院を出て、定時制高校に通っていました。申し訳ない気持ちはあるけれど、何も償いができないという思いを抱えていた彼は、最後の様子を知りたいという遺族のニーズを聞き、自分にもできることがあると対話に応じました」
「対話の場で、両親は帰ってこない息子を心配する思いや遺体と対面したときのことなどを語りました。加害少年にとっては初めて聞く話ばかり。緊張していましたが、心から申し訳なく思っている様子がこちらにも伝わってきました。加害少年は母親の求めに応じて、男性がどのように追い詰められ、川に飛び込んだのかを話しました。両親は黙って聞いていましたが、帰るとき、母親が加害少年に声をかけました。『よく話してくれた。ありがとう』と。少年の目は潤んでいました」