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キャリア開発支援のためのメールマガジン…vol.138(2024年7月号)…

■□■━━【コラム】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■

 キャリア・カウンセラー便り"鈴木秀一さん"です。

  ◆このコーナーは、活躍している「キャリア・カウンセラー」からの
   近況や情報などを発信いたします。◆

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「夢」って何だろうね?

心理療法のひとつであるSFA(ソリューション・フォーカスト・アプローチ)の中に
「ミラクル・クエスチョン」という技法がある。

これは、今の時点で悩み苦しんでいる問題が解決した後の状況を具体的にクライエントに
想像してもらう際に用いるものだが、文字どおり「とつぜん奇跡が起こって目の前に立ち
ふさがっていた壁(問題)が一瞬で解決してしまったとすれば、どういった状態がイメージ
されますか?」といった具合に、敢えて意図的に想定してみることにより、自らの目標や
理想とする状況を明確化する効果があるとされている。

それと同時に、上記の質問によって「いまの自分に不足しているもの」や「求めていること」、
または「どのような欠乏欲求を持っているか」に気づくためのきっかけになる場合もある。

奇跡が起こるという想定に無理があるようなら「神様」が登場してもよいし、相手が子ども
なら「ドラゴンボールの神龍」でも、とにかく自分の力ではなく願いを叶えてくれる他力的
な存在がいればいい。
「魔法が使えるようになったら・・」でもいい。

いずれにしても、返答の内容に拠って自らの隠れた欲求が俄かに浮き彫りとなるだろう。

たとえば、「たまには遠出して温泉にでも浸かりたい」という願いであるならば、いまは
忙しくてゆっくりと休む暇すらない状況に在るという意味かもしれないし、「遠出」という
キーワードは、集団の場における喧騒を離れて義務や責任から解放されたいという耐えがた
い苦しみを表わしているのかもしれない。

他にも、どんな「夢」「希望」「願い」を持っているかによって、自覚していなかった
欠乏欲求が浮上してくることもある。

もちろん、いろんな夢があっていいのだが、「お金持ちになりたい」というのは明らかに
夢ではない。
そのお金で何を買うつもりなのか、何の費用に充てるのか?が全く以て不明瞭であり、
かつ曖昧である。

多くの場合、特に欲しいものがないけど、お金が欲しいというのは、経済的に余裕が
ないことで苦労したくないという怖れなのだろうが、そこには得体の知れない漠然と
した不安感があり、とにかくお金さえあれば大抵のことは解決しそうだ・・という
思い込みの産物かもしれない。

「あなたの夢は?」と問われると「YouTuber」とか「コメディアン」、または「声優」
や「パテシエ」といった具合に、言わば「憧れの職業に就くこと」と早合点してしまうのは
一般的な若者が持つ顕著な傾向であるが、先にも述べたように、その殆どが何らかの
欠乏を埋めるために選んだ職種であることが多い。

ある中学生の女の子は、弁護士か医者になりたいと言っていた。
これら両者は全く異質のものであると思われるが、何らかの共通点を見出すならば、
それはおそらく社会的な地位が高く、その称号によって名誉が得られるということでは
ないだろうか。
どうやら、この子はクラスのみんなから「すごいね」「たいしたものだ」と言われたい
&認められたいと願っていることの顕れなのだろうと思われる。(他者承認の欲求)

また、自分の存在に自信がなく、此処に居てもいいのだろうか?邪険にされないだろうか?
 自分など価値のない人間だ‥などと思い込んでいる者であれば、
「あなたが居てくれてよかった」とか「きみのおかげだよ」といった言葉や「感謝」
というシャワーを浴びたいがために福祉や医療などの「対人援助職」を選ぼうとする
ものである。(メサイア・コンプレックス)

このように、欠乏欲求を満たそうとして業種を選ぶのだとしたら、それは「夢」という
よりも単なる飢えを満たそうとする行為でしかなく、いかに憧れの職業に就くことが
できても偽りの充足でしかなく、本当の夢には程遠く、いつまで経っても到底たどり着く
ことはできないだろう。根本的な解消にはならないからである。

ついでに書いておくが、就職は断じて「ゴール」などではなく、ようやく「スタート
ライン」に立ったということである。
何のために、この仕事に就いたのか? この仕事を通して自分は何を為すのか?
これが明確でなければ一年も経たないうちに空中分解してしまうことだろう。
仕事は、人生における目的を達成するための手段にすぎないのだが、この手段を目的だと
勘違いしたために、せっかく憧れの職種に就いたのに、就職した途端に目的を失ってしまい
辞めたくなってしまうのだ。

お金儲けもまた同様である。
まるで餓鬼の如くお金を儲けることに全エネルギーを燃やして躍起になっている人がいるが、
「起きて半畳寝て一畳」という諺にもあるように、どんなに金持ちになっても、社会的な地位
が高い人でも、人ひとりが占める広さなど起きていれば半畳、寝るときも一畳あれば事足りる。
それを弁えていることが肝要だ。
その後に続く「天下をとっても二合半」は、いくら天下を取ったところで、所詮二合半以上
のお米など食べきれるものではないという意味となる。

つまり、たとえ使い切れないほどのお金を貯め込んでも、必要以上のものを欲しがったり
手に入れたとしても、けっきょくは墓の中まで持って行けるわけではないし、どうせ
使い切れないのだから、そんなに必死になって頑張っても無駄ではないか?
ということを言いたいわけである。

このように、我々が「夢」と呼んでいるものの正体は、単なる欲求不満の解消でしかないの
かもしれない。

さて、五段階欲求説で知られる心理学者「マズロー」は、夢への到達を「自己実現」という
言葉で表している。
ここで云う「自己」とは、未だ出会っていない自分をも含めたプロセス的な意味があり、
人は寿命が尽きるその瞬間まで変化し続け、成長に伴って捉え方や認識もまた進化(深化)
し続けることを物語っている。

ということは自己実現とは、ユングが提唱した「個性化(自分だけに与えられたかけがえの
ない意味を人生に見出し、それを全うして本来の自分を生きること)」とも概ね共通する
概念かと思われるが、これこそがキャリアを語る上で最も重要なテーマとして扱う必要が
あるだろう。

「夢」について語るとき、あくまでも自分の個性や指向性も含めて俯瞰的に考察しようとする
姿勢があれば、欠乏欲求や理想主義的な呪縛に囚われることなく、人生設計もまたユニークで
楽しめるものになると思うのだが、どうにも「我欲」が纏わりついて離れず、成長の邪魔を
してしまうようである。

キャリアカウンセリングは、その辺りのことを自覚するために自分の姿を映す鏡のようなもの
かもしれない。

キャリアプランについて自由に語り合うことが成立するための必要条件としては、
先ず1)実現が可能か不可能かを一時的にでも脇に置くこと(方法は後で考える)に加えて、
2)仮に金銭的な報酬が得られなくともやりたいことなのか?否か?を自分に問うてみること。
そして3)自分の人生の目的が個人的な範疇に留まらず、多くの人々にとっても価値や意義の
あるものとして胸を張れること(共同体感覚として)などの項目がクリアされていることが
重要かと思うのだが如何だろうか。

◆おわり◆


キャリア開発支援のためのメールマガジン…vol.137(2024年6月号)…

■□■━━【コラム】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■

 キャリア・カウンセラー便り"網野枝里さん"です。

  ◆このコーナーは、活躍している「キャリア・カウンセラー」からの
   近況や情報などを発信いたします。◆

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テクノファでの学び
                         35期:網野枝里
テクノファのキャリアコンサルタント養成講座を卒業してから
5年以上の月日が経ちました。伊良波さんと電車でばったりお会いしたことが
ご縁でこのようなコラム執筆の機会をいただき、大変光栄です。

養成講座に申し込んだきっかけは、
当時担当していたコンサルティング部門のキャリア支援のために専門的な知識を
得ることでした。キャリアコンサルタントの資格を取ることも
もちろん視野に入っていましたが、他の育成機関のカリキュラムと比較した際に
テクノファのカリキュラムは、実践的な内容が詰まっており、すぐに実務で活か
せる内容だったことが入学の決め手となりました。

研修で学んだことをヒントにして、キャリア診断ツールを作ったり、社員育成の
為の専門研修を作ったり、インプットとアウトプットを繰り返しながら、社員
みんなが喜んで実践できる仕組みを作れたことは私にとっても会社にとっても
大きな財産となりました。

特に影響を受けた研修カリキュラムは、メンタルヘルスです。
養成講座の中に含まれているメンタルヘルス研修をきっかけに、
社内でカウンセリング制度の立ち上げと社員へのサポートを強化する仕組みを
構築しました。
一人一人のキャリアを考えていく上でメンタルヘルスの観点は非常に重要です。
心身共に健全に働いてもらうためには、メンタルヘルスの観点から社員をサポート
ることの重要性に気付くきっかけをいただきました。

今ではセルフケアの考え方が組織に浸透し、相手の状態に合わせてコミュニケー
ションを変えていけるまでに社員が成長しました。
テクノファでの学びをきっかけに社員一丸となって組織を変えたいという想いが
ひとりひとりの繋がりを強くし、相手の状態にあったコミュニケーションスタ
イルを身に着けることができたことは組織にとって大きな成果だと感じています。

キャリアをどう支援していくか?がキャリアコンサルタントの役割だと考えて
入学しましたが、ひとりひとりが自分の人生をどう生きるか?というテーマに
寄り添いながら関わった方が心身共に健康でありながら、自分がありたい姿に
向けたどう生きていくかを支えていくこともキャリアコンサルタントとの重要な
役割だということを知る良いきっかけだったなと考えています。

現在は社内の活動だけにとどまらず、NPO法人に所属しながら心理カウンセラー
としての活動も並行して行っています。わたしが考えるカウンセラーとは、
専門的な知識やスキルに加えて、
『目の前のクライアントに対して、どこまで味方になれるか』
だと思っています。

クライアントの状況を聞かせていただき、同じ景色を見ることで同じように
クライアントの気持ちを味わえるカウンセラーとして、これからもお役に立って
いければなと思います。
テクノファの養成講座は、宿題もテストも沢山あり、通学していた3か月間は
それはそれは・・・大変でしたが、心優しい35期の皆さんに支えられなんとか
卒業することができました。何かを成し遂げるためには、支えてくれる仲間の
存在はとても大切だなと改めて実感しました。素敵な出会いもテクノファの
魅力だと思いますのでキャリアコンサルタントを目指す方、企業内で人事業務を
担当されていて、社内変革を起こしたい方はぜひお勧めの場所だなと思います。

◆おわり◆


キャリア開発支援のためのメールマガジン…vol.136(2024年5月号)…

■□■━━【コラム】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■

 キャリア・カウンセラー便り"鈴木秀一さん"です。

  ◆このコーナーは、活躍している「キャリア・カウンセラー」からの
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先日、『「叱らない」が子どもを苦しめる(ちくまプリマー新書449)藪下遊、高坂康雅』
という本から引用した記事を見つけた。なかなか興味深い内容だったので、さっそく
購入して読んでみることにした。

主な内容は、子どもが不快にならないよう、親は彼らの要求に応えるだけで殆ど叱る
ことをしない。このような風潮が多く観られるようになって、人生で遭遇するであろう
幾多の困難を乗り越えることができない脆弱な若者が増えているのではないか・・
といったところだろうか。

現在、不登校児童生徒の数は二次曲線的に増えており、全国的にも小学生では60人に
1人(2クラスに1人)、中学生では18人に1人(1クラスに2人)となっている。

ちなみに高校生は、概ね3ヶ月以上に渡って欠席が続いた場合、進級に必要な単位を
取ることができずに退学してしまう。それゆえ正確な数字は出てこない。
(不登校は、あくまでも在籍していることが前提であるために退学すれば数に含まれ
なくなる。)

いずれにしても注目すべき事態であることに変わりはない。

私は18年ほど前まで大学のカウンセラーを務めていたのだが、その頃から既に不登校に
なる大学生は多くいた。

この本に書かれていることは、けっして今に始まったことではなく20年ほど前から
徐々に増えて現在に至ったと思われる。最近になって急激な増加傾向が目につくように
なり、注目が集まったと言えよう。

このことは、せっかく希望の職種に就いたものの1年にも満たない期間で辞めてしまう
若者の数が多いことと無関係ではあるまい。

このような定着率の悪さに危機感を持った厚労省が音頭を取り、先行する企業が
「セルフキャリアドック」の導入に踏み切ったのも、この流れに歯止めを掛けたい思惑が
含まれていると思われる。

私には不登校になる一部の児童生徒と、ある日を境に出社しなくなり、急に辞めると
言い出す従業員とが重なって見えるのである。
しかも本人が辞表を提出して辞めるならまだしも、本人の代わりに母親が一方的に
電話で辞意を伝えてくるという過保護ぶりも気になるところだ・・

むろん「セルフキャリアドック」は、単に会社を辞めさせないことを目的としている
わけではなく、企業側と従業員との関係性において、労働に対する賃金だけではない
何らかの対価的価値を見出すことや、企業人という立ち位置の中で如何に自己実現を
目指すか・・など、幾つもの側面を持つことに意味があるので誤解しないでほしいのだが、
短い期間で「この仕事は自分には合わない」と言い残して辞めてしまう若者に対して、
すぐに「ミスマッチでした」と決めつけるのもどうかと思う。

たしかに、自分には合わないと感じるのは自由であるし、辞めたいという意思表示が
あるにもかかわらず無理強いさせるのも考えものだ。

しかし、本人が入社前に受けた説明と実際の内容とが食い違い、まるでかけ離れていた
となれば話は別だが、そんなことでもなく、たった数ヶ月、または数日という僅かな
期間だけで辞めるという結論を出してしまうケースを見ていると、本人の主張とは
異なる何らかの背景があるのではないか・・と勘ぐりたくなる。

というのは、ここ数年間に増えた不登校児童生徒も、以前とは違って何のきっかけも
前ぶれもなく、急に登校しなくなるという摩訶不思議なケースが増えてきているためである。

話を戻すが、本に載っている内容としては以下の項目について書かれていた。

主なテーマは「思い通りにならないことに耐えられない子どもたち」であり、
幾つかの例が挙がっている。

・ 授業時間が長いからと学校に行かない子⇒不登校

・ 都合が悪くなると「いじめられた」と主張する子

・ 炎天下に「気が済むまで」子どもを公園で遊ばせ倒れた母親

・ 迎えに来る人を指定する園児

・「娘が嫌がる活動はさせないで!」と保育園に要求する母親

・ 修学旅行中、担任に電話をかけてくる母親

・「授業中に私に当てないでください」と教師に注文をつける女子高生と母親

こういった例を「あり得ること(同意)」と捉えるか、または「異常だ(違和感)」と
感じるかは読み手の自由だが、少なくとも以前であればあまり見かけなかった光景
かもしれない。

いろんな子がいていいし、それを個性と呼ぶなら否定するつもりもない。
ただ、私が学校教育現場に身を置いていて感じていることは、この5年の間だけでも
子どもたちの様子に大きな変化が観られることである。

それは、先にも述べたように家庭教育や地域教育において「子どもを不快にさせない」
という風潮が高まってきており、親たちもそれを学校教育現場に要求する流れがで
きてきたことだ。
その結果として「思い通りにならない場面に耐えられない子ども」が多く観られるように
なってきたと考えられる。

本の中では「押し返される経験の不足」と表現されていたが、そういった養育方針が
「万能感」の拡大を許し、いずれ人生において出会うであろう困難な状況や歓迎したく
ない出来事に耐えることができず、克服しようとする前に背中を向けて逃げ出す
といった傾向を生み出しているのではないか・・レジリエンスの低さに繋がっている
のではないか?といった疑問が湧く・・ということなのだろう。

もちろん、同じ子などいるはずがないし、他の子と違っていることに何ら問題はない。
逆に、皆が同じ顔をして同じ格好をしている世界などゾッとする。

だから、他の人は我慢しながら頑張っているのだから、あなたも耐えなさいなどと
言うつもりは毛頭ない。
繰り返しになるが、誰しも違っていていい。同じであることで安心するのもまた妙な話だ。

だが、近頃になって俄かに流行り出した「多様性」という言葉を誤認したまま乱用し、
自分勝手な振る舞いが許され、イヤなことは避けて通るための言い訳に使うのは
如何なものだろうか?と思ったりもする。

また、本のタイトルにある「叱る」にしても、「怒る」と区別することなく遣っている
人は多いのではないだろうか?
「怒る」とは自らの中に湧いた不快な感情を短絡的に相手にぶつけるだけの行為であり、
怒鳴る声も大きい。
言うまでもなく相手は委縮し、投げかけられた言葉に傷つくと思われる。
おそらく反感を持つことだろう。

つまり、怒るというのは心に湧いた不快感を誘発させた相手に対して
「自分の気が済むこと」を目的に感情をぶつける行為と解釈できる。

一方の「叱る」は、冷静ながらも相手に対して必要だと判断した上で敢えて行なう
行為である。大声を出すこともない。むろん冷静であるが故に言葉も選ぶだろうし、
そこには相手に対する思いやりや愛が含まれている。
ならば、叱られている相手は「愛」を感じつつ、神妙な面持ちで話を聴くのではない
だろうか。

この「叱る」という行為は、先述したようにあくまでも「相手のため」であり、
しっかりと育ってほしいという願いと共に、相手にとってこの先も社会で生きていく
ために必要なことだから・・という想いが込められているのである。

それが為されることなく育ってしまった子は、きっと周囲から距離を置かれて孤立したり、
自分勝手だと非難されることは想像に難しくないし、柔軟さに欠けるために本来であれば
「いらぬ苦労」まで背負い込んでしまう展開もあるだろう。
家の中で許される行為も外の世界では通用せぬことを予め知っておくことは大切である。

ここはきわめて重要な点なので勘違いしてほしくないのだが、集団主義的に周囲の空気
を読んで迎合せよと言っているわけではない。
我々は行動を自由に選択できるし、自己決定あってこその自己責任であることに何ら
異論はない。

ただ、社会性を得ることは必要であるし、相手(周囲)と良好な関係を構築するためには、
自分の振る舞いが「相手からどのように見えるか・・の客観性」と、「他者からの指摘や
意見を受け入れることができる謙虚さ」くらいは持っていないと、
けっきょくは苦しむことになるだろうというのである。

「Z世代」という言葉を初めて聞いてから数年の月日が流れているが、すでに今は
「α(アルファ)世代」に突入しているという。

すでに高齢者となった私にとって、彼らについて行くのは難儀なことだが、なんとか
理解しようと努める姿勢だけは持っていたいと思うし、できれば世代間のギャップを
埋めるために、そして互いが歩み寄るためにも対話を試みたいと考えている。

◆おわり◆


キャリア開発支援のためのメールマガジン…vol.135(2024年4月号)…

■□■━━【コラム】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■

 キャリア・カウンセラー便り"鈴木泰子さん"です。

  ◆このコーナーは、活躍している「キャリア・カウンセラー」からの
   近況や情報などを発信いたします。◆

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キャリアコンサルタント養成講座15期生の鈴木泰子です。

わたしは現在、色彩心理カウンセラーや講師として「その人の力を活かして
生きることのサポート」をしておりますが、そのモチベーションのベースに
なっているのが、テクノファでの学びです。

今から13年前、キャリアカウンセラー養成講座に出会うきっかけとなったのは
「仕事の悩みをどうにかしたい!」という切実な思いからでした。

当時、社会福祉協議会に勤務していた私はリーマンショック後の国の制度である
離職者支援・第2のセーフティーネット事業の相談支援員として従事し
毎日毎日「仕事がない」「住むところがない」「お金がない」「体調が悪い」という
過酷な状況にある方のご相談を伺っていました。

お悩みが深刻なだけに簡単に解決するご相談ではありませんでしたが、それでも
懸命に寄り添ってお話を伺っていたものの、ある時、「あんたらはいいよな、、」
という一言に、苦しくなったのです。

相談員として話を聞いて制度を案内するだけではダメなんだ!
明日どう生きたらいいかわからず不安な方へ相談員として何ができるんだろう…
と悩みました。

そして、主管である厚生労働省の制度担当者に、現場の状況と悩みを打ち明けて

「わたしの軸になるものが欲しい、私は何をしたらいいのでしょうか?」と尋ねたところ

「キャリアカウンセラーを学ぶといいのではないか」という助言をいただいたのです。

「キャリアカウンセラー?って何?」と思いながらも、早速厚生労働省ホームページに
記載されていたキャリアカウンセラー養成校一覧を見て、「テクノファ」という名前に
惹かれました。
そして優しい伊良波さんとお話しさせていただくうちに「私にできるかな?」という
不安はなくなり「ここで学べば自分の軸ができるかも!」と一筋の光を見出したような
気持ちになったのです。

実際授業が始まってみると、相談員としての話の聴き方、尋ね方、いまどの状態にあるか
など頭の中で整理しながら支援ができるようになり、「生活に困っているけど、自分が
どうしたらいいのかわからない」という方へも「お前ら、税金で食ってるんだろ!」
という方へもビクビクすることが無くなったのです。

キャリアカウンセラーの資格を取得する頃には、相談支援をする上での軸がしっかりと
でき、以前のような「どうしよう、、なんて言ったらいいかな」という不安もなくどっしり
とした気持ちで窓口に入る自信もついてきました。

2015年に困窮者自立支援制度が施行され、立ち上げメンバーとしてこの制度の相談員
も兼任。離職者だけでなく生活にお困りの老若男女問わずのお悩み解決へ支援が広がり、
さらに多様な相談を受けることになりました。

でも支援を通して現状を脱する機会にできる人ばかりではありませんでした。
使える制度は変わらないのに、状況を変えられる人と変えられない人、チャンスを
ものにできる人とできない人、この違いは何なのだろう?と考えたところ、変化を
得られたケースはやはり内的キャリアまで導いていけた方で、内的キャリアが
見出せたかどうかの違いだったのです。

ご本人も自覚していなかった内的キャリアを一緒に見つけ出し、その方の働く意味・
意義、大事にしたいことが段々と明確になってくると、どんどんと前向きになって
行かれました。無事就職し名刺を見せに来てくださることがとても嬉しかったのを
今でもよく覚えています。

2019年に地域包括支援センターへ。10年間の相談支援員の経験を生かしてほしいという
意図での異動でしたが、介護保険制度ありきの支援体制に困惑することばかりでした。

高齢者の自殺未遂は思ったより多く、高齢になっても生きることの辛さが続いている
現状にぶち当たりました。「もっとなにかできないのだろうか」と思い悩みましたが、
高齢になる前に自分自身の在り方や環境を整えておくことが大事だと痛感したのです。

「では私に何ができるのか?」とモヤモヤと悩んでいた頃に、自己理解・他者理解が
目で見て理解できる色彩心理学と出会いました。「色でこんなに簡単に、自分の個性も
気持ちも丸ごとわかるなんて!凄すぎる!」と驚きから始まり、色彩心理学の学びに没頭。

「もっと自分を大事にその人がその人らしく生きていけるサポートがしたい!」
という思いがあふれ2021年長年勤めていた社会福祉協議会を退職しました。

現在は、今までの経験や色彩心理学をベースに

・自分の長所を見出し生かす方法
・人材の適材適所診断
・身近な人間関係が改善するコミュニケーションのコツ
・苦手なあの人との関係性が楽になる接し方
・自分の気持ちを理解し未来にどう生かすか

等のリクエストをいただき、行政、社会福祉協議会、地域包括支援センター、
デイサービスセンター、訪問介護事業所、就労準備事業所等、中学校、幼稚園、
保育園等、企業様で講座や研修をさせていただいています。

最近、講座や研修のご依頼時に最も多く言われるのが「自分の良さを知ること」
をテーマにして欲しいというご希望です。公的機関(就労準備事業所や中学校など)
からのご依頼も多くなっており、私が相談員をしていた頃は資格取得などの
外的キャリアに国の予算をかけていたと思いますが、現在は内的キャリアに
視点が向いてきたのではないかと感じます。

受講してから13年経った今、今野先生はじめ諸先生方からの教わってきた学びと、
自らの経験とが重なって「なるほどこういうことだったのか!」
と謎が解けたように実感するたび

内的キャリアを学んでいて良かった!キャリアカウンセラーであることを
大事にしてきて良かった!と思っています。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

〈2011年5月21日第1回目、今野先生の授業のノートより〉

自分の人生は自分が主人公。

どういうことに興味があり、どういうことを大事にしたいか内的キャリアがハッキリ
していると方向性がハッキリしてくる!偶然的なチャンスをチャンスとして掴める!

クライアントの役に立とうとするなら、これしかできないというわけにはいかない。
いろいろな鑿(ノミ)を使い分けられることによってよい仕事ができる。だから勉強する。
15日間(の授業)修了後からが本当の勉強をすることになる。

「その人がその人らしく生きていけるように専門家が行う心理的支援」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

東日本大震災の余震がまだ続くころ、授業の冒頭で今野先生がおっしゃった言葉は、
いつしか私の仕事の指針でありモチベーションのベースとなりました。

起業して3年。「その人がその人らしく生きていく」そのサポートを心からしたい!

そして「内的キャリア」を見つけることを大切にしたい!と思い起業に踏み切ったのは、
私の中に今野先生の言葉が染みついていたからかもしれません。

私が使命感を感じていた仕事を辞めてまで伝え続けたいこと、その真ん中にこの
今野先生の言葉があります。テクノファ授業ノートは今でも私のバイブルです。

これからも学び続け、いろいろな鑿(ノミ)を増やし使い分けて、
その人がその人らしく生きられるサポートを続けていきたいと思っています。

最後までお読みいただきありがとうございました。
◆おわり◆