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キャリア開発支援のためのメールマガジン…vol.150(2025年7月号)…

■□■━━【コラム】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■

 キャリア・カウンセラー便り"鈴木秀一さん"です。

  ◆このコーナーは、活躍している「キャリア・カウンセラー」からの

   近況や情報などを発信いたします。◆

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テクノファ更新講習「ストレス・コーピング」受講の薦め

 先日、川崎の研修センターでキャリアコンサルタント資格の維持(更新時に必要な
ポイント取得)のための講習メニューのひとつである「ストレスコーピングを活用
した面接実習」を受けてきた。
 Webによる受講も悪くはないのだが、私としては実際に肌で感じることや場の
雰囲気をリアルに体験したい想いがあるので交通費や宿泊費をかけてもできるだけ
現地集合の形で学ぶことにしている。

 私は学校教育現場におけるスクールソーシャルワーカーという職務において、
我が子の不登校や問題行動などに代表される「子育てに悩む親たち」と出会う機会が多い。
そこでは子どもに纏わる諸問題を家庭と学校とが連携しながらいかに解決するか・・
について話し合うわけだが、起こっている出来事の背景について丁寧に紐解いていくと、
子ども自身の問題というより保護者自身が結婚前から抱え続けてきた課題や若い頃に
やり残した未完の行為などが世代を超えて子どもの言動に顕れているケースが多い。
「子どもは親の内面を映す鏡である」という言葉があるが、親子関係を深く理解する
上で「世代間連鎖」について焦点化することは極めて重要である。

「母親」とは、言わば「役割」をも含む代名詞なわけだが、それ以前に親と言えども
1人の人間であるし、これまでに至る経緯に隠された「物語(自分史)」も大切に
したいところだ。
その意味でも実際に目の前にいるのは、母親という役割を担っている「〇〇さん」
という名を持つ個人であるという認識において、その場にいない子どもの様子に
ついて説明することに終始するよりも、実際に目の前におられる母親自身について
丁寧に聴くことのほうがずっと価値があるのではないかと思うのである。
母親の心がほぐれ、ほんの僅かでも気持ち的に楽になれたなら、子どもへの関りに
おいても余裕を以て応じることもできよう。母親の態度や気持ちの小さな変化は、
それだけで子どもにも如実に反映されるのである。

それゆえ、私としては関わり方の助言だけに留まらず、家庭内においても”嫁“の
立場で夫や舅、または姑との関係に悩み、勤務している職場における居心地の悪さに
苦しみ、同じ学年の子どもを持つママ友たちとの関係を保つことの戸惑いなどを
拾い上げることにしているのだが、実際には「苦しみの元凶は何か?」などと云う
単純な括りでは語れないほど多くの「要因」が複雑に絡み合っており、それら全てが
ストレッサーとなっているケースばかりである。
となれば、子どもよりも先に彼女たちを取り巻く環境や置かれている状況の緩和に
向けた支援こそが重要であり、母親へのケアが結果的に子どもの育成に還元されれば
いいと考えている。

 また、困り果てた保護者らと対峙することになる教師たちも
「うちの子がこうなったのは担任の対応が悪かったせいだ!責任を取れ!教師など
やめちまえ!」などと酷い言葉を浴びせられたり、さらに学年主任や管理職からまで
「あなたの指導の仕方に問題があるのでは?」と指摘されたりといった具合に、
精神的に追い詰められることで心を病んでしまう者もいる。
(教師が心を病んで不登校になってしまう事案も多発しています。)

こういった現状において、私にとってのクライエントとは来談者(子を持つ親)だけ
にかぎらず、教師たちに対しても同様に支援の手を差しのべる必要に迫られている。
保護者にしろ、または教師たちにしろ、彼らにとって最大のストレッサーとなっている
要因を取り除くことができればよいのだが、かといってすぐに解消できるか?
といえば現実的ではない。

 このことは支援者を名乗っている私自身にも言えることであり、日頃からできるだけ
ストレスを溜め込まないよう自分なりに色々と工夫しているのだが、これを機にストレス
についてさらに詳しく学びたいと思ったのが受講の動機である。

 さて、受講した翌々日のことなのだが、朝から面談に来られた保護者(母親)がまさに
仕事上の忙しさとプレッシャーによって、見てすぐに判るほどの「ストレス反応」
が起きていた。
彼女は、「問題行動が絶えない我が子との関り方について相談したい」と申し込んできたの
だが、もはやそのような話ができる状態ではなく、何もかもが全く手につかない
思考停止状態に陥っていた。

聞けば勤務先の都合で欠員の穴を埋めるべく5月から急に部署替えとなったようだが、
右も左も判らないまま連日不慣れな作業を強いられているという。そんな状況下に在って
既に心の余裕を無くしており、勤務を終えて帰宅した後も「母親」として、また「主婦」
としての役割が殆どこなせていない自分を責めていた。
その上、学校で問題行動ばかり起こしまくる我が子への接し方など工夫できる余裕もなく、
話しながら涙が止まらない状態であった。

私がスクールソーシャルワーカーとして請け負っている業務は、カウンセリングという
よりもコンサルティングや教育相談的な色合いが濃いのだが、おそらくこのような状態の
彼女に対して子どもへの対応の仕方など助言したところで何も聞こえないだろうし、
むしろ余計なプレッシャーを与えるだけだという判断から、いま此処で限られた時間を
どのように活かすべきか?を考えた結果、つい一昨日前に学んだばかりのコーピングの
ひとつである「リラクゼーション」を試してみることにした。

筋弛緩法と呼吸を意識するワークを行なった後に自律訓練法を加え、硬直して固まっている
筋肉を緩めることを目指した結果、ほんの数分後にはこわばった表情が消え、その後の
会話では微笑までこぼれるに至った。

とは言っても何ら問題が解消したわけではないし、子どもへのアプローチの仕方について
の検討など全くできなかったのだが、日々の生活の中で彼女なりにストレスコーピングの
幾つかを試してみることや、それを繰り返すことによって生じる脳内の構造的変化について
は多少なりともお伝えすることができた。

彼女は、とりあえず今すぐにできることとして面談の帰りに大好きなインド料理のランチ
を食べに行くことを宣言し、数ヶ月前から公開を楽しみにしていた映画をいつ観に行くか?
についてカレンダーを見ながら予定を立て、まずは我が子の問題よりも先に自分自身の心の
ケアを優先することを承諾した上で次回の面談日を決めて終了となった。

更新講習で学べることは多いが、やはり現場で実践してこそ身になると改めて思った次第だ。
学んだことについての整理やまとめは未だできてはいないが、講座の内容が記憶に残って
いるうちに実際に行なうことができたことは、クライエントにとってはもちろん、
私にとってとても有意義な体験であった。

 なにかとストレスの多い社会の中で常に冷静さを保つのは容易なことではないし、
一難去ってまた一難といった具合に次から次へと襲ってくる諸問題に対応せざるを得ない
状況が大きな負担であるのは間違いない。
 すぐに状況を変えることができなくとも自分なりのコーピング方法を身につけて
おくことで幾分でも負担を軽減することができれば、少なくともバーンアウトに陥ることは
避けられるだろう。
 そのようなわけで、みなさんもぜひストレスコーピングについて学びを深めてみては如何だ
ろうか。

◆おわり◆