Aさんの「キャリコンサルタント養成講座」受講奮闘記をお伝えしています。
Aさんは中小企業に勤めている小学生と4歳半の子供をもつ女性ですが、ある事をきっかけに「キャリアコンサルタント」という資格を知りました。厚生労働省の国家資格であること、企業の中で人間関係の相談に乗ってあげられる力を付けられることなどを知り、どこかの「キャリアコンサルタント養成講座」を受けたいとNetで多くの「キャリアコンサルタント養成講座」を調べました。
その結果テクノファの「キャリアコンサルタント養成講座」が自分に合うのではないかと思い、3か月にわたる12日間「キャリアコンサルタント養成講座」講座を受講することに決めました。決めた理由は16年の「キャリアコンサルタント養成講座」の歴史と「組織と個人の共生」ということにありました。
いよいよ2日目になります。
【2日目講義】
2日目は、働くということ~職業理解と自己理解について理解を深めていただきます。まずは職業理解からです。職業理解のためには、組織経営、企業についての理解を深めていただく必要があります。その上で、なぜ組織、企業がキャリア開発に取り組むのか、その問いかけに対しても答えを皆さんなりに持っていただくとよいでしょう。そのために、日本的人事管理の特徴と現状についての解説を行います。
その上で、適材適所についての解説及び議論を少々ですが行っていただきます。その際には、組織におけるメンバー即ち社員の自立を促すことが必要だということを認識していただきます。社員全員は、自分は自身の仕事(職務)のオーナーである、という意識を持っていただく必要性を理解していただきます。
次に、目標による管理(MBO)についての解説を行います。MBOは経営学者P.F.ドラッカーらによって提唱されたマネジメントコンセプトですが、現状世の中で大きく誤解されている部分の解消から講義は進みます。
何が大きな誤解か?それは、MBOは人事考課のことを言っているのではない、という点についてです。MBO、人間は誰しもが目標をもって行動することでやりがいを感じる、ということを理解していただきます。
そしてもう一つは、「働く」、「職業」を理解するための情報ツールを紹介します。様々な情報が世の中には満ち溢れていますが、ITの進化により便利なツールが種々出現していることを理解し、自らその情報を活用できるようになっていただきます。世の中には3万種くらいの仕事があると言われています。そのすべてを理解することは不可能です。この先、キャリアコンサルタントとしてクライエントの方に職業の知識を伝える際に、このような各種情報へのアクセスによって知識増強を図ることは必要不可欠なことです。また、JAVADA(中央職業能力開発協会)の資料も配付して、中央職業能力開発協会が出している職業能力評価基準についての概要もお伝えします。
後半は、自己理解について講義が進みます。ただしここは簡単にこうです、と言えるものではありません。ゆえに私たちの講座では、2日間かかけて合宿にてCDW(キャリア開発ワークショップ)を行います。CDWの合宿での講義では、アセスメントツールにはどのようなものがあるかの紹介、それらの信頼性および妥当性、加えてその効用と限界、使う価値、意義についての解説をしていきます。
一通りの解説終了後は、VPI職業興味検査に取り組んでいただきます。これはホランドが開発したものを独立行政法人労働政策研究・研修機構によって日本版として製作されたものです。このVPI職業興味検査は、短時間でどのような仕事に興味を持っているのかの結果が出ます。大学生向けなので、職業経験の長い方にとっては今更の部分はあるのですが、そうはいっても短時間で結果が見えるので、活発な議論ができます。ただし、適職診断ではないのであくまで興味検査であり、クライエントを理解していく上で一つの有効なツールになることは感じていただけるはずです。
そして最後は、ミニワークです。なんのために働くのかを、社会心理学者の尾高邦雄氏の考えに基づいて自分の働く意味に向き合います。単純なワークですが、自分への理解そしてどれだけ自分のことがわかっているか、そのことが決して簡単ではないことを感じていただきます。キャリアコンサルタントとして他者の向き合うことの大変さを感じると共に、自己理解の奥深さを垣間見る状態でこの日は終わります。
3,4日目で実施するCDW(キャリア開発ワークショップ)でもっともっと自分自身に向き合っていただくことになります。