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キャリアコンサルタント養成講座 12日間受講体験記 5

投稿日:2024年7月10日 更新日:

【8日目 キャリア・ガイダンス】
本講座キャリアコンサルタント養成講座も8日目になりました。8日目は、世の中の実情を踏まえて、各種の言葉や法体系等について学びました。最初は、「キャリアコンサルティング 理論と実際」木村周著(一般社団法人 雇用問題研究会)を使用して、まずはキャリア・ガイダンスという言葉の説明を受けました。「一定の又は特定の職業に従事するために必要な知識,技能,態度をはぐくむ教育」としての職業指導を言いますが、キャリア・ガイダンスという言葉は学校教育の世界などで広く使われています。

最近のキャリアガイダンス論は「情報」の重要性を徹底して強調する。キャリアガイダンスにおける情報とは、各種の職業情報、求人情報、教育訓練に関する情報などであり、その他、個人がキャリアを考える上で参照すべきあらゆる情報は全てここに含まれる。これらの情報を印刷物やインターネットその他の媒体を通じて簡単に検索できるようにしておく。こうすることで、人々は自らの取るべき行動を決定し、就職活動やキャリア形成に向けて動き出す。1人のクライエント・求職者が自分だけで必要な情報全てを収集しようとしても必要となる情報をくまなく集めることは難しい。個人にかわって偏りのない情報を分かりやすく提供することが、キャリアガイダンスでは最も基本的な支援となる。
(1)相談
「相談」は、いわゆるカウンセリングであり、1対1の対面的な状況でキャリアガイダンスを提供するものである。「相談」の特長は、多様なクライエントに柔軟に対応し、クライエントが欲する情報や支援をカスタマイズして提供できるという点である。人が媒介することで、本来、クライエントが考慮すべき点を考慮していない場合に是正できることも大きなポイントになる。例えば、1980 年代以降のキャリアガイダンスに関する効果を分析した結果でも、カウンセラーの人的な支援が全くない場合とある場合とでは、ある場合の方がクライエントにとって効果が高いことが明らかにされている。一方、カウンセリングによるキャリアガイダンスの唯一最大の難点は何よりもコストがかかることだとされる(OECD, 2004)。
(2)ガイダンス
「ガイダンス」は、「情報」と「相談」の中間的な位置づけである。日本で言えば、就労支援機関が開催している各種セミナーや講習会などが該当する。このセミナー形式のキャリアガイダンスは日本でも馴染みが深いために、あえてキャリアガイダンスの1つとして論じる意味が不明確になりやすい。しかし、セミナー形式のキャリアガイダンスには、たんに情報提供をグループ形式で行うという以上の意味がある。例えば、セミナーや講習会には同じようなニーズをもった同じような問題を抱えた人間が訪れる。そのため、うまく構成した場合にはグループのメンバー間のコミュニケーションが相互の問題解決に役立つ。自らが目下抱えている問題は他のメンバーと共有しうるものであると知るだけでも効果があるが、互いに同じような立場で意見を言い合ったり、他人を観察するプロセスが特に有益となる。

出典 資料シリーズNo.165 労働政策研究・研修機構(JILPT)
独立行政法人 労働政策研究・研修機構(JILPT)

■職業相談場面との関わり
キャリアガイダンスを構成する3要素である「情報」「相談」「ガイダンス」は、それぞれコスト(時間)の安さ、支援を提供できる人数、サポートの程度、支援者の専門性の点で特徴があります。
①「情報」
最も間口の広いキャリアガイダンスであり、いわゆる職業情報や労働市場情報を提供して、対象者に自分でキャリアを切り開けるようなサービスを提供します。
(1)大多数の対象層にコストや時間をかけずに支援を提供する。
(2)サポートの程度は浅く、支援者の専門性は高くなくて良いという特徴がある。

②「相談」
最も深い支援が専門的なカウンセリングサービスの形で提供されることとなり、ここに限られた人的・金銭的・時間的リソースを集中的に投入することとなります。
(1)少数の対象層に、コストや時間をかけて支援を提供する。
(2)サポートの程度は深く、支援者の専門性は高いといった特徴がある。

③「ガイダンス」
中間的な位置づけで、定期的なセミナーや講習会を開催して、より深い支援を要する利用者には、例えば丁寧な質疑応答のような形で適切なアドバイスを与えたり、個別相談を必要とする対象層の判別も行います。

学校における進路指導から職業指導がキャリア・ガイダンスとされていますが、学校教育だけでなく、職業安定行政においても職業指導は行われています。よって、キャリア・ガイダンスに関する定義を整理すると、キャリアに関するガイダンスであり、「個人が職業やキャリアを選び、準備し、就職しその中で効果的に機能するよう援助するプロセス」と定義することができると教わりました。それは個人の発達に応じて生涯を通じて繰り返され、継続されるものであることも学びました。

(つづく)Y.H

-国家試験

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