- リファーできるフォローアップの重要性 -
キャリアコンサルタント養成講座の12日間だけで本当に「本物のキャリア・カウンセラー」になれるかというとそれは違います。12日間の講座を受けて首尾よく合格したとしても、その時点ではキャリア・カウンセラーとしての出発点に立ったにしか過ぎません。さらにその後、キャリア・カウンセラーの資格を取得したあとでも「本物のキャリア・カウンセラー」を目指して、スーパーバイザーの指導を受け、さらなるスキルアップを図ることが必要だと思います。テクノファでは、そのようなフォローアップコースのステップを順次踏んでいただくために、有資格者を対象としたインターンシップをカウンセリングルームの運営と併せてシステム化しています。
また、我々だけでは出来ませんが、キャリア・カウンセラー、キャリアコンサルタントの言葉の定義がはっきりしませんので、これらに携わっている団体、業界の皆さんと協力してある程度はっきりさせていけないかと思います。今までこの世界で活動されてきた先人の方々の実績、思いがまずは重要ですし、関係する人たち、社会が受け入れられるような議論と集約が必要だと思います。
我々養成講座運営組織は、何故キャリアコンサルタント養成講座を運営するのか、我々がキャリア・カウンセリングの方法を勉強する意味をきちんと認識し、5年、10年先の社会のニーズを踏まえて、今日すべきことを議論し実践していく必要があると思います。そのような動きの中に我々も積極的に参画し、テクノファとしての特長を活かしたキャリアコンサルタント養成講座にしていきたいと思います。テクノファは、キャリアコンサルタントの資格が先にありきではなくて、何のためにキャリアコンサルティングあるいはキャリア・カウンセリングが必要なのかを掘り下げて、受講される一人ひとりと考えていきたいと思っています。キャリア開発の何たるかをちゃんと知っていただいた上で、それがあるからこそキャリアコンサルティングあるいはキャリア・カウンセリングが必要になってくるんだということを受講者皆さんと是非共有していきたいと思っています。
我々のキャリアコンサルタント養成講座は、単に一対一のカウンセリングができればいいというのではありません。それも含めて、組織内へのキャリア開発の導入・実践ができる人材、チェンジ・エージェントとしての機能を果たすことができる人材育成を目的と考えています。講座の内容そのものは現時点で変える必要はないと考えますが、講座修了後のフォローアップ、アドバンスコースの充実を図っていきたいと思います。具体的には、事例研究(ケーススタディ)をレベルアップさせていく必要があると思っています。これは、キャリアコンサルタント養成講座を修了された方々を対象にしたフォローアップコースとして、ケース記録のまとめ方やロール プレイ(事例研究)、そしてインターンシップ(カウンセリング実習)を通じてキャリア・カウンセラーとしての実践力を養成する体系化されたプログラムです。例えば、アサーショントレーニングのような、ヒューマン・ スキル(人間理解能力)を磨いていく、深めていくコースも当然必要になります。
小澤先生からは次のようなアドバイスを頂いています。
「キャリア・カウンセラーとしての面談のスキル・コンピテンシーをちゃんと持っている人は少ない。キャリアの範囲でとどまるべきなのか、リファー※すべきか そうでないかの判断がきちんとできない人たちが多い」とおっしゃられています。
※ リファー(refer):「参照する」が原意であるが、キャリアコンサルタントの世界では「自分では力になれないと感じられるクライアント(相談者)を、よりふさわしい人に申し送りする(紹介する)こと」です。
カウンセリングをしていて、メンタル面で精神科医の診断が必要だと感じられた場合は医者にリファーします。
リファーをきちんとできるようにしていくためのトレーニングも必要です。このようなトレーニングは、ロールプレイが非常に重要になってきます。例えば産業医の方を入れて、尚且つスーパーバイザーの方の協力を得ながら、その人のカウンセリングプロセスをきちんと評価して、スキルアップを図るためのトレーニングがアドバンスコースです。
フォローアップコースを通じて、総合的な力をつけていっていただく必要があるだろうなと思っていますが、これはテクノファだけでは出来ないことですので、いろいろな方に協力を得ながら、なお高いレベルを目指していきたいと思っています。「熟練レベルのキャリアコンサルタント」に求められる能力要件は、このようなきちんとリファーできるトレーニングプログラムから受講生のスキルアップができるのではないかと思っています。
(つづく)Y.H