キャリアコンサルタントの知恵袋 | 株式会社テクノファ

実践に強いキャリアコンサルタントになるなら

「 月別アーカイブ:2024年05月 」 一覧

アサーション、グループワークなどカウンセリングの基礎的スキル

2024/05/31   -基礎編・理論編

アサーション、グループワークなどカウンセリングの基礎的スキルに関して説明をします。 ■アサーション キャリアコンサルティングの相談において、キャリアコンサルタントは的確なフイードバックができることに加えて、適切な助言や提言ができることも求められる場合があります。そのためには、積極的傾聴のスキルに加えてアサーションも必要となります。 アサーションとは、アサーティブの動詞ですが、いわゆる日本語の自己主張とは違います。「自分のことを大切にしながら同時に相手のことも大切にして、自分の気持ち、意見、信念などをその場に合った適切な方法で正直に、率直に表現する」ことです。相談場面においては、相手が伝えようと …

キャリアコンサルティントの相談のポイント

2024/05/29   -基礎編・理論編

キャリアコンサルタントの相談実施においておける7つのポイントについて説明しますが、すべてを実行するとは限りません。クライエントのニーズに合わせて必要なものを実行します。 キャリアコンサルティングにおける相談は、ガイダンスやカウンセリングなど他の相談と重なるところや類似するところがありますので、キャリアコンサルティングの特徴を理解しておく必要があります。 木村周氏は著書『キャリアカウンセリング(改訂新版)』のなかで、キャリアガイダンスとキャリアカウンセリングについて、その他広く行われているガイダンスやカウンセリングと比較して、その特徴を述べています。それらを参考にキャリアコンサルティングの特徴を …

コミュニケーション理論に基づくBFT統合モデル

2024/05/27   -基礎編・理論編

キャリアコンサルタントの面談でのMRIコミュニケーション理論に基づくBFT統合モデルをお話しします。これまでと同様に若島孔文 長谷川啓三2018「新版よくわかる!短期療法ガイドブック」金剛出版から主だった箇所を引用して紹介します。 (1) ノンバーバル‐マネジメント側面への介入 バーバル‐マネジメント側面とは長谷川らがコミュニケーションを、トピック的側面-マネジメント側面の軸とバーバル(言語)-ノンバーバル(非言語)の軸の2軸で分類した象限の一つである。マネジメント側面とは対話者相互で、そこでのコミュニケーション自体の流れを規定するコミュニケーション行動と位置付けられている。 この2軸によるコ …

労働に関係する労働法は大きく3つに分類できる

2024/05/25   -基礎編・理論編

今回はキャリアコンサルタントが知っているべき労働関係法規、社会保障制度等に関してのお話をします。 労働に関係する労働法は、大きく3つに分類できます。それぞれ関係する分野や領域に合わせて、おもだった法律を解説していきます。 日本の労働法の体系は、大きく3つに分けられます。 (1) 雇用や労働市場に関する法律です。先に取り上げた職業能力開発促進法の他に、雇用対策法、職業安定法、雇用保険法、労働者派遣法などです。ハローワークや職業訓練施設などの職業安定行政と能力開発行政が担当しています。 (2) 労働条件に関する法律です。労働契約、労働条件、採用、退職などの領域に関連する法律で、労働基準法、労働安全 …

キャリアコンサルティングの成長モデル

2024/05/23   -基礎編・理論編

熟練キャリアコンサルタントを目指すにあたって、近道はありません。実践経験を積みながら、日々研鑽を重ねることが何より重要です。 ■「自ら成長したい」という強い思いが不可欠 熟練キャリアコンサルタントになるために、近道や特効薬はありません。継続した学習と実践を積むしかありません。そのうえで、ケースにおける失敗経験を反省し、自身の力量を自覚するとともに、成功経験をその後の活動に効果的に反映させるべく、活動に対する先輩や指導者からのフィードバックを求め、自分の資質の向上に努めることなどで、はじめて熟練キャリアコンサルタントに近づいていきます。つまり、熟練キャリアコンサルタントを目指すには、受け身の姿勢 …

キャリアコンサルタント熟練レベルを目指して

2024/05/21   -基礎編・理論編

厚生労働省がキャリア開発・形成を支援するキャリアコンサルティングという専門的な活動を担う人材を、登録制の名称独占資格のキャリアコンサルタントとして、導入・標準・熟練・指導の4つのレベルに分けて能力要件を定め、キャリアコンサルティングの制度を策定、運用していることはすでに説明してきたとおりですが、ここでは、熟練レベルと非熟練レベルとの差異について、中央職業能力開発協会のキャリアコンサルティング研究会報告書「熟練キャリアコンサルタントに係る調査研究」を引用して説明します。 原則として厚生労働大臣が認定する講習の課程を修了し、国家資格キャリアコンサルタント試験に合格した者を「標準レベルのキャリアコン …

ブリーフセラピー(Brief therapy:短期療法)とは

2024/05/19   -基礎編・理論編

ブリーフセラピー(BFT)を取り上げます。キャリアコンサルティングにおいては、しばしば個人と部門・会社などの組織との関係性によって問題が生じることが少なくありません。これらの問題は直線的な因果関係から生じていることは極めて稀で、複数の事柄が相互に作用しあう因果関係から問題が生じ維持されていることがほとんどのケースに見られます。このような問題の解決は、単純に原因を探り対処するには無理があります。どちらかというと、問題を俯瞰して対処することが必要になります。 「①ほとんどの問題は人間関係の中で生まれ維持される、②セラピストの仕事はクライエントが何か新しいことをするように促すこと、③ほんの小さな変化 …

傾聴とは積極的に聴くことである 

2024/05/17   -基礎編・理論編

ドラッカーは近代経営学の父と呼ばれた人ですが、彼は経営者が効果的にマネジメントする8つの慣行を提案しました。その中に「最初に聴き、最後に話す」というものがあります。リーダーシップの本質は「信頼を獲得して結果を得ること」ですが、 信頼を得る行動で最大効果を生むものが聴くことであると述べています。驚くべきことに、多くの指導者は聴くことをうまくやれません。多くの調査で「指導者の聴く能力」は、評価項目で最も低いレベルに位置付けられています。最初に聴いて、最後に話しすることは大変重要なことです。 それはとても単純ですが、多くの人々はそれを理解することができません。 聞くと聴くとは違います。積極的に聞く、 …

アサーションとチェンジ・エージェント

2024/05/16   -基礎編・理論編

アサーション※については、理論、自己チェック、 演習などから構成されています。この期間で、カウンセリングの基本的な技法である傾聴、及びアサーションについて、その理論的根拠を理解し、スキルを習得していただきます。 ※「アサーション」(assertion)は1950年代にアメリカで、自己主張を苦手とする人を対象としたカウンセリング手法として生まれた。「人は誰でも自分の意見や要求を表明する権利がある」との立場に基づく適切な自己主張のことです。トレーニングを通じて、一方的に自分の意見を押し付けるのでも、我慢するのでもなく、お互いに尊重しながら素直に自己表現ができるようになることを目指す。アサーションを …

CDW(キャリア開発ワークショップ)

2024/05/15   -基礎編・理論編

CDWは”Career Development Workshop”の略ですが、CDWそのものがカウンセリングプロセスになっており、CDWの中で自己理解を深めていくプロセスを体験していただきます。このプロセスがきちんと確立されて、初めて、他の人たちはどう考えているのだろうかを客観視することができます。多様な考え方がある中で、自分のキャリア観を自己分析し、改めて自分の人生に思いを寄せて自分の仕事人生の位置づけをはっきりさせることができて、他人への視点が出てくるものだと思っています。 自分がカウンセリングするときには、どういった傾向があるのか、どういった思考で聴く癖があるのか、また返答する癖があるの …